ご案内
あなたは腸が煮えくり返るほど怒っている時に、微笑んだことがないでしょうか。
心の底では不安を感じている時に、意地悪をしたり、怒って見せたりしたことはありませんか。
疎外感を味わってとても悲しい時に、笑ったり、大したことはないというふりをしたことはどうですか。
自分が悪いと思っている時に、人を批判したことがなかったでしょうか。
真実を何もかも言うとは、つまりこういうことなのです。
自分の感情について、正直に何もかも相手に伝えることほど大切なことはありません。
それは緊張感をほぐし、人間関係を豊かにする第一歩です。
本当に感じていることを伝えられるようにするためには、まず自分がどう感じているのかを知る必要がある。
私たちは、自分の感情を覆い隠すことにかけてはプロなのです。
本当に感じていることを偽るのが非常に巧みなために、本当の姿を隠し、押し殺す結果になっています。
自分から真実を隠すこともうまくなり、自分のついた嘘が本当だと信じるようにさえなるかもしれない。
そして、しだいに自分が本当に感じていることがわからなくなり、心の中で起こっている真実について話そうとしても、話せなくなってしまうのです。
愛を感じる能力は、真実をすべて話す能力に比例しています。
人生においてあなたが真実を語れば語るほど、あなたはより多くの愛に包まれて生きることができるでしょう。
意思疎通がとどこおりなく、スムーズにできるような偽りのない人間関係は、愛と自尊心を豊かにする源なのです。
けれど多くの場合、私たちは真実を話さずにすむような人間関係を探し求めます。
「あなたが真実を話さないなら、私も真実を話さない」ということわざを知っていますか。
このような人間関係は、らくで気持ちがいいかもしれません。
しかし、自己愛や自尊心を高めるためには、まったく役立たないものなのです。
毎日の生活で、真実を何もかも話すための第一段階は、その真実とは何であるかを知ることです。
もし、あなたが北極海に浮かぶ氷山に出くわしたとしたら、あなたの目にはその全体の十分の一しか見えないでしょう。
残りの氷塊は水中に沈んだままなのです。
人間の感情はこの氷山に似ています。
たいていの場合、あなたが本当に感じていることのほんの一部分しか人には見えないし、自分自身でさえ気がついていません。
感情の大部分は心の奥深く沈んだままなのです。
本当の気持ちは自分にとってさえ計り知れないものですから、それをすべて人に伝えることは、とても難しいことです。
感情を押し殺すことは、実はあなたが長年にわたって開発してきた安全装置なのです。
本当の気持ちに対処したり、それを表現したりできないために、本当の感情を包み隠し、いつかそれが消え去ってしまうのを、ひたすら期待しているのです。
長年の問、そのようにして自分の気持ちを排除し、抑圧してきたために、危険で受け入れられないような、あるいは人を混乱させるような感情を抑えつけてしまう癖がついているのです。
これはとても不幸なことであり、健康にもよくない。
あなたは、自分や他人の生活を妨げたり脅かしたりしないような感情だけを表現することを身につけ、それによって他人とトラブルを起こさず、安心して受け入れてもらっていることでしょう。
しかしその結果、自分の気持ちさえわからなくなっているのです。
自分の心が単純に自然に感じ取ることよりも、まず頭でどう感じるべきかを考えるようになってしまっているのです。
埋もれた感情を掘り当てることは、あなたが成長するためには非常に大切なことです。
なぜなら、あなたが感情を抑圧し、埋もれさせてしまっている限り、自分が誰であるか、何が本当にほしいのか、いつまでもわからないままだからです。
人間の感情を研究する聞に、私は感情の迷路を理解するのに役立つ全体図を発見しました。
与えられた環境に対応することができない時、あなたは無意識のうちに様々なレベルの感情を同時に持つことになります。
そのレベルとは次の五つです。
@怒り、非難、恨み。
A苦悩、悲しみ、失望。
B恐怖、不安、癇癪。
C罪悪感、良心の呵責。
D愛、理解、寛容、欲求。
あなたが抱く感情には、さまざまなレベルがあります。
ふつうは一時に一つの感情しか意識しませんが、その他の感情もすべて同時に存在するのです。
もし、これらすべてのレベルの感情を完全に認識し、表現することができたら、感情の混乱は容易に解決できることでしょう。
私たちは、それぞれの感情を完全に認識し、表現しなくてはなりません。
そうでなければ、いらいらを取り巻く感情は決して完全に解放されず、おそらく心の中に押し込められてしまう。
その結果、さらに大きな心の重荷をしょいこんだまま、さまざまな人間関係を続けていくことになります。
否定的な気持ちをすべて表現すれば、相手を愛し、理解していることを、無意識のうちに再認識することができるのです。
お互いの気持ちが通じ合わないのは、たいていの場合、真実の一部分しか伝達しないことが原因です。
人が真実を語る時は、抱いている感情の多くを捨てておいて、他より高いレベルの、たった一つの感情だけを語っているのです。
すべての否定的な感情の下には、肯定的な感情が潜んでいる――すべての怒りや苦悩の下には、愛情や親密にしたいという思いがあります。
あなたをもっとも怒らせる人は、あなたがいちばん気にかけている人なのです。
もし何かによって、あなたのその人への愛が妨げられる時、1から4のレベルの感情が活発になるでしょう。
この時、怒りや苦痛の気持ちだけ伝えて、その下に隠れている愛情については何も表現しないままでいると、問題が起きます。
すべての否定的な感情の下には、愛情と、二人の関係を保っていたいという欲求があるのです。
その愛情を開いて見せるただ一つの方法は、その上に積み上げられた他のすべての感情を認識し表現することです。
すべての感情を認識し、表現することができなければ、原因に足を踏み入れることはできないのですから。
もうこれ以上怒っていたくないのに、どうしても怒りがおさまらないという経験をしたことはありませんか。
悲しみや苦痛や失望にはまり込んで、どうしても憂欝な気持ちを払いのけられない思いをしたことがないでしょうか。
恐怖にとらわれて、どんなに一生懸命に努力しても、その気持ちから逃れられないことがなかったでしょうか。
これらは、心の中の感情をすべて受け入れ、それを表現するということをしなかった場合に起きることです。
すべての範囲の感情を認識し、表現する力がないと、一つのレベルの感情にはまり込み、自分の前向きな気持ちを充分に感じることができなくなるのです。
私たちはみな成長の過程で、直接的であれ間接的であれ、実に様々な形で、心の中のすべてを表に出さないように教え込まれる。
小さな男の子は「いい子は泣かないの、強くなりなさい」と教育されます。
こう言われた子どもは、傷つきやすい心を表に出すことは許されないということを学びます。
その反対に、男の子が攻撃的な態度を取ることは男らしいとして許され、たいていの場合、怒りを露にしてもかまわないが、苦しみゃ恐怖を表に出しては危険だと教えられます。
なぜなら、他の男の子にからかわれ、やっつけられるかもしれないからです。
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